筑豊食品工業株式会社 醤油の歴史

「醤油の成り立ち」

日本は発酵に適した気候風土にあることから、麹の文化が広がり、さまざまな発酵食品を生活に取り入れてきました。伝統的に造られてきた「しょうゆ」もそのひとつで、地域の和食の特性を活かしながら、広く「こいくち」「うすくち」「さいしこみ」などとして受け継がれてきました。しょうゆの特徴は色、味、香りにあります。麹菌、酵母、乳酸菌の働きで、発酵・熟成が進むにつれ、食欲をそそる色や香り、アミノ酸をはじめとするうま味や酸味が加わり、まろやかさや深みを増していきます。調味料としての機能以外にも、消臭効果(生臭さを消す)、加熱効果(食欲をそそる香り)、静菌(殺菌)効果、対比効果(甘さを引き立てる)、抑制効果(味を和らげる)、相乗効果、アミノ酸成分をはじめとする多様な栄養機能成分などがあります。日本の食文化が世界に広がりを見せる今、しょうゆも世界の注目を集めています。

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「福岡地醤油の特徴」

福岡のしょうゆは、全国のしょうゆの中でも塩分が少なく、あまくちでうま味が強いのが特徴です。すきやきや野菜の煮物、魚の煮付けにそのまま使える商品もあります。温暖で海の幸や山の幸に恵まれた地方色のあるしょうゆです。福岡県は都道府県別しょうゆ製造工場数日本一の「しょうゆ県」であり、地域の風土と食材に合ったしょうゆが今もしっかりと根付いています。しょうゆはまさに、ふるさとの味を醸し出す調味料ともいえるのです。

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「醤油の作り方」

大豆と小麦の麹を食塩水と仕込んだもろみは約半年、発酵・熟成させる。それを布に包んで搾ったのが生揚げしょうゆ(生醤油)。できた生揚げを地元の好みに合わせて加工、出荷します。味を決める種麹は自家培養し、2種を混ぜてうま味を倍増させます。もろみに入れる酵母菌、乳酸菌も純粋培養です。味の締まりとうま味の伸びを引き出す乳酸菌は凝集するタイプにして清澄さを追及しています。自動制御の工程があっても、香りや発酵の具合は「人間に勝るセンサーはなし」と職員が五感で利き味し、かき混ぜの強弱などを判断、機器を操作します。香り(新鮮さ、調和、食欲をそそる芳香)の鍵は「火入れ」です。温度や加熱時間、適温に達する速さ、冷やし方、副原料の砂糖とアルコールを入れる量とタイミングなどあまたの試行錯誤の結果最適な状態で作ります。

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